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増殖する新型ヤミ金「2者ファクタリング」 苦しい事業者に付け込む

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偽装ファクタリングが中小・零細企業の資金調達手段の主役に躍り出ている。

「企業様の強い味方」など、甘い文句が並ぶ

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週刊東洋経済 2020年7/11号
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「また来た」。都内で工事会社を営む男性は、事務所の受信中のファクスをのぞき込みながら、「広告が毎日のように送られてくる」と、ため息をついた。

送り主はファクタリング(売掛金の買い取り)業者。「銀行で融資を断られた方におすすめ」「赤字決算、税金滞納でも大丈夫」。そんな甘い文句の後「最短1日で1000万円まで資金調達可能です」と誘導する。

今、資金繰りに苦しむ中小・零細企業の経営者の間で、「偽装ファクタリング」の被害が多発している。冒頭の男性も以前は銀行の融資を受けていたが、2008年のリーマンショック時に返済を焦げ付かせてしまい、以来、資金調達をファクタリング業者に頼らざるをえなくなった。

ファクタリング自体は古くからある合法的な取引で、通常は3者間で行われる。

例えば企業Aが企業Bに商品を販売し、売掛金(売掛債権)が発生したとする。資金繰りに苦しむ企業Aはすぐに現金を手に入れたいので、売掛金をファクタリング業者に売却し、1〜2%の手数料を引いた現金を業者から受け取る。その際、ファクタリング業者は企業Aの売掛先である企業Bにも通知し、同意を得るのが原則だ。「企業Aから売掛債権を買い取りました。売掛金はこちらに支払ってください」と、内容証明郵便で送る。その後、通知を受けた企業Bはファクタリング業者に売掛金の代金を払い、取引は完了する。企業Aは新たな借り入れをせず、スピーディーに資金調達ができる。

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