利用者激減でどの会社も経営難は必至。歩合制のタクシー運転手は収入減が生活を直撃する。
新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため人の移動が大きく制限された。結果、公共交通機関が未曾有の危機に直面している。
とりわけ影響が大きいのが航空業界だ。当初、その影響は中国や韓国への路線など東アジアの国際線に限られていた。だが、日を追うごとに世界各地へ拡大。国内最大手の全日本空輸(ANA)は3月末時点で、4月の国際線全体の予約数が前年同月比70%減少した。
厳しい市場環境を受け、ANAは3月29日から約1カ月の間、計画していた国際線4653便のうち、世界全方面で4071便を減便。日本航空(JAL)も同様に計画の5148便のうち、4366便の減便に追い込まれた。
国内線も政府のテレワーク推奨やイベント自粛要請により需要が低迷。ANAは4月1日から約1カ月、計画便数の26%に当たる5629便を、JALも3月29日から約1カ月、同26%に当たる6908便を減便している。
ANAでは1カ月当たり、約1000億円の収入が失われている。国際航空運送協会の予測によると、2020年の世界における旅客収入は前年の44%に当たる2520億ドルが消滅するという。航空事業は人件費や機材費など固定費が重く、18年度の営業費用に占める固定費の割合はANAホールディングスで約50%、JALで約40%に達する。売り上げの減少は利益の大幅な悪化に直結する。
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