PTAをやるのは昔から9割以上が母親だ。父親は会長か次期会長ポストの副会長くらいしか見かけない。
そこでつくられたのが父親たちからなる「おやじの会」だ。現在、全国に4000〜5000ほど存在するとされ、親子で遊ぶイベントや、運動会の自転車整理など力仕事を引き受けるところが多い。加入や活動の強制が当たり前のPTAとは異なり、あくまで希望者が参加する形で、会員数は各校で数人〜30人程度だ。
育児を自ら引き受けようという父親たち。大いに評価されているかと思いきや、実はそうとはいいがたい。PTAで苦労する人たちはおやじの会を冷ややかな目で見ている。
「PTAで苦しむ母親たちを尻目に自由に活動して、飲み歩いている」「母親たちがPTA役員を押し付け合うのを見下して、ひとごとでいるのが嫌い」「性別役割分業意識丸出しの自己陶酔感が苦手」。いずれもPTA役員を経験した母親、父親らの声だ。読んでショックを受けた「おやじ」もいるかもしれない。
「おやじの会の父親たちがPTAにも関わって、母親たちが楽になるようにすれば、感謝されると思うのだが」と苦笑するのは、「日本おやじの会連絡会」を立ち上げた山下重喜さんだ。山下さんは約20年前、おやじの会代表やPTA会長を務めた。PTAでは活動をスリム化し、おやじの会ではPTAの“お役目”を肩代わりしたため、母親たちから喜ばれたという。
山下さんによると、おやじの会は1980年代ごろから、父親の存在が薄い育児の現場を変えようと、全国的につくられるようになった。2000年代から流行した「イクメン」と同様、父親が子育てに関わる好例として注目された。
PTAをもっと気楽に
だが最近は評価が変わってきた。夫婦が同等に子育てに関わる家庭が増え、「PTAは母親、おやじの会は父親」というすみ分けに違和感を抱く人も多い。しかもおやじの会は「飲み会がメインの活動」と言い切る者もいる。男たちがうたげで盛り上がり、SNSで写真を披露し合う間、家事と育児に追われるのは母親たち。怒りを買うのは当然だ。
ただ、母親たちも意識を変える必要がある。PTAをもっと気楽な活動にして、おやじの会に近づけていけないものか。母親たちも飲みたいときは父親に家を任せて飲みに行く。やりたい活動だけをやり、学校に仕事を依頼されても、やる人がいないときは「できません」と断る。母親たちがそうなれれば、PTAとおやじの会のすみ分けはおのずと解消し、PTAで苦しむ母親もいなくなるだろう。まずは行動に移すことからだ。






















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