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「理想の教育」の実現度 Part2 苦悩する小学校|ゆとりの反動、学習指導要領〝盛り込みすぎ〟の歴史

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多忙な教員は、英語の教科化やプログラミング教育でさらに負担が増している。

(kou / PIXTA)

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筆者が教育の取材を始めた1990年代、小学校で「忙しくなった」という声をよく耳にした。そう言いながら多くの教員は、意欲的に授業改善に取り組んでいた。今でも中学・高校と比べて小学校には純粋に理想の教育を追究しようとする雰囲気が根強い。

それが、なぜ今や教員の3割が過労死ラインまで働かざるをえなくなったのか。振り返ると、学習指導要領の規定と運用の問題に行き着く。現実との狭間で苦悩を深めた30年間だったといえる。

指導要領は、時代の変化に対応して、ほぼ10年サイクルで改訂されてきた。下表は、各指導要領に対応した年間標準授業時数(学校教育法施行規則で規定)の変遷だ。

小学校の1時間(1コマ)の授業は45分で行われる(1単位時間と呼ぶ)。長期休暇などを除くと年間約35週にわたって授業が行われるから、授業時数を35で割れば週当たりのコマ数がわかる。1015時間なら週29コマだ。

週6日時代と同じ授業数

表より前の89年改訂の指導要領の総授業時数は高学年で1015時間だった。ただ土曜午前も授業があり、最大で週34コマ設定できた。

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