教育の中身の充実を求める一方、教員増には消極的だ。
公立学校教員の平均時間外勤務は小学校で月約59時間、中学校で月約81時間。各3割、6割が過労死ラインを超えて働いている──。
2017年4月に文部科学省が公表した16年度教員勤務実態調査結果は、教育界に大きな衝撃を与えた。部活動が多い中学校はもとより、小学校でも危機が進んでいることがわかったからだ。
背景には、社会の動向に応じた教育改革が進められる一方、少子化の進行と国・地方の財政難というダブルパンチで、学校現場の改善が進まなかったことがある。
教育の質は、教員の数によっても左右される。国の政策もこの教員数の多寡が議論の中心だ。
そもそも公立小・中学校の給与費は3分の1を国が負担しているため、各校にどれだけの人員を配置するかの「教職員定数」は、法律によって決められている。
教職員定数は、学級数や学校数を基本として算定される。小学校は校長・副校長・教頭などに加えて各クラス担任1人というのが基本形で、あとはどれだけプラスできるかが教育条件整備の焦点となる。
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