PTAではなく、地域ボランティアが活躍する学校が目立ってきた。
学校のお手伝いはPTAの仕事と思われてきた。PTA役員の引き受け手がいなければ、じゃんけんやくじ引きで無理やり誰かにやらせるのが常道だったが、最近はそうもいかなくなってきた。時間に余裕がある専業主婦は大幅に減少し、古い慣習に疑問を抱いてPTAを退会する家庭も徐々に出てきているからだ。
混乱気味のPTAをよそに、目につくようになってきたのが学校で活躍するシニアボランティアの存在だ。地元の小中学校を、保護者以外の人々がサポートする仕組みを取り入れる自治体や学校が増え、60〜70代の人々の活動場所の1つとなっている。
子どもたちの「放課後学習」に地域ボランティアが足を運ぶのは、兵庫県神戸市立本多聞小学校だ。毎週木曜の放課後に1時間、各学年の教室で行われる学習会にシニア世代が参加し、マンツーマンで子どもの勉強に付き合っている。
子どもたちは付きっきりで大人に見てもらえるのがうれしいのだという。「低学年の子はいつも職員室の前でボランティアさんを待ち構え、自分の担当の『先生』が来るとうれしそうに呼んで手を振り、一緒に教室に入ってくる」。
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