救助難航、ギリシャ沖フェリー火災の全貌 <動画>乗員乗客478名、周辺国が救助へ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
悪天候により救助作業は難航した(提供:Italian Navy/AP/アフロ)

イタリアとギリシャの救助隊がヘリコプターを使ってアドリア海で遭難した炎上するフェリー「ノーマン・アトランティック号」から乗客を運びだす活動は、夜に入っても続いた。暗闇と悪天候が他の船による救助活動を阻んでいるためだ。

火災は12月28日早朝未明の時間帯に低層デッキのガレージで発生した。当局者によると、日曜深夜時点で乗員乗客478名のうち、ギリシャ人男性の死者が1名、さらに4名の負傷者が出ている。イタリア当局の話では、172名の安全が確保されているという。

助け出された乗客は陸上の病院に搬送

イタリアのブリンディジにある、アントニオ・ペリーノ病院では、8名の乗客が脱水症状と低体温症の手当てを受けたと、同病院の事故救急部門の責任者のPasquale Prisco氏は言った。「いまのところ、全部で8名の患者を受け入れました。そのうち2名、5歳の女の子と、もう一人の大人は入院しています。3名はすでに病院を出て、残りの3名は治療の継続が必要か、退院可能か検査中です。8名はいずれも深刻な状態ではなく、脱水症状と、低体温症の手当てを受けました」。

日曜夜にはもっと多くの乗客が運び込まれるだろうと病院の責任者であるGraziella di Bella氏は話した。「必要な治療をすでに受けている患者の治療をどうやって夜通し続行するかといった指示が災害部局から来るのを待っています。それに、ブリンディジに到着する貨物船に49人の生存者がいるはずで、その知らせも待っているところです。その人たちもおそらく治療が要るはずです」。

ギリシャ海運相のMiltiadis Varvitsiotis氏によれば、火は現在のところ収まりつつあり、船体はアルバニアの港に向かうとされていたが、イタリアへ牽引されるとのことだ。イタリアの関係者によると、船体は南海岸のブリンディジか、オトラントへ向かい、牽引ロープの確実な取り付けがされるだろうということだ。

次ページギリシャ、イタリアに加えアルバニアからも救助
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事