ついに始動した大日本印刷とドコモの「強者連合」 電子書籍の覇権はいずこへ
大日本印刷は09年以降、丸善、ジュンク堂、文教堂などのリアル書店、取次の図書館流通センター、出版社の主婦の友社など出版関連企業を次々と傘下におさめた。このハイブリッド書店構想は、電子書籍、オンライン書店、リアル書店のすべてをグループに持つ大日本印刷ならではのもの。アップルやアマゾンなど海外勢も手掛けておらず、「世界的にもあまり例がない」(ドコモ辻村副社長)取り組みだ。
日本における今後の電子書籍事業の主導権争いにおいて、このハイブリッド書店構想が、顧客の囲い込み、出版社へのアピールという点で、1つのポイントになる可能性もある。
一方、KDDI、凸版印刷、朝日新聞、ソニーも電子書籍配信の事業会社、ブックリスタを昨年11月4日に設立した。ブックリスタでは、ソニーの電子書籍端末「リーダー」に対応したリーダーストア、KDDIの電子書籍端末「Biblio Leaf SP02」に対応したLISMO Book Storeで、それぞれ約2万点の電子書籍を販売している。
業界1位どうしのドコモ、大日本印刷連合に対するはコンテンツ提供者やメーカーを含めたKDDI、凸版印刷、朝日新聞、ソニー連合。さらにはTSUTAYAと組んで電子書籍端末「GALAPAGOS」を展開するシャープ、日本市場でのサービス開始を虎視眈々とうかがうアマゾン、グーグルなどの海外勢の動きも注目されている。
日本における電子書籍プラットフォームの覇権争いは、「電子書籍元年」といわれた昨年の環境整備を経て、今年もますます激しさを増しそうだ。
写真■電子書籍に対応した端末を手にするドコモ辻村清行副社長(右)、トゥ・ディファクト小城武彦代表取締役社長(中央)、大日本印刷高波光一副社長(左) 撮影:吉野純治
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