天神と博多駅で最大50棟を建て替え、1.35兆円の経済波及効果をもくろむ。
2020年3月末、福岡市の中心部・天神にある「天神コア」が44年の歴史に幕を下ろす。若者向けのファッションブランドが多く入店し、地元では知られた商業施設だ。
運営する電鉄大手・西日本鉄道の倉富純男社長は、6月13日の定例会見で「昭和、平成とともに歩み、天神の発展そのもののコアであった」と振り返った。
西鉄は本社のあった福岡ビルと天神コア、天神ビブレを一体開発し、24年春までに高さ96メートルの高層ビルに建て替える計画だ。
激変する天神エリア、高層ビルが群雄割拠
福岡市が再開発のラッシュを迎えている。港湾部では「ウォーターフロントネクスト」として国際会議や展示会の会場、クルーズ船関連設備の強化が、青果市場跡地では三井不動産などの商業施設の誘致が決まった。そして大きな注目を集めているのが、天神を中心とした「天神ビッグバン」、そしてJR博多駅を中心とした「博多コネクティッド」の2つの計画だ。
福岡市は中心街にオフィスや商業施設が集中。鉄道やバスなどの交通網が発達しているほか、JR博多駅から空港まで地下鉄でわずか5分という、コンパクトな街づくりに特徴がある。リーマンショック直後は大幅な空室率の上昇に見舞われたが、現在はメルカリやLINEなど大手IT企業の進出に沸き、中心部のオフィスの空室率は2%を切る水準だ。問題となっているのは床不足だけではない。ワンフロアが広大で使い勝手がよく、免震構造や発電機を備えるなど災害に強い「グローバル企業のためのオフィスが足りない」(地元の有力デベロッパー福岡地所)ことも課題となっている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら