鉄道運転士|減るのはむしろ車掌
自動車の自動運転技術は開発が進むが、同様の技術で鉄道運転士の仕事も変わるのか。
東京・新橋と臨海部を結ぶ東京臨海新交通臨海線「ゆりかもめ」に乗ったことがある人なら、走行中の列車の先頭部に誰も乗っていないことをご存じだろう。ゆりかもめの開業は1995年。鉄道分野における無人運転はずいぶん前から行われているのだ。
定められた軌道上を走る鉄道の自動運転は、技術的には自動車よりも簡単だ。軌道上の列車位置を検知し、駅までの距離に合わせて加減速を行う「ATO(自動列車運転装置)」の技術開発の歴史は古い。すでに60年には名古屋市営地下鉄で走行試験が行われ、70年には大阪での日本万国博覧会のモノレールで実用化された。
昨年暮れから今年初めにかけて、JR山手線でもATOを使った試験走行が行われた。運転士は運転台に座るものの、速度を調節する「マスコン」には触れない。発車ボタンを押した後は、非常時を除き駅に到着するまで運転操作をしない。将来、山手線において無人運転が実現しても不思議はないと思わせる出来事だった。
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