小僧寿し「580円ラーメン」は美味いのか 1号店は想定の倍近くを集客

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自動で麺の湯切りができるテポ

ゆでた麺の湯切りも一定程度、自動化できる。『麺や小僧』では、茹で麺機のテポ(茹でザル)に麺を投入してセットすれば、一定時間(基本は30秒)経過すれば自動でテポが上にスライドする、いわゆる“自動麺茹で機”を導入。スタッフのオペレーションをより簡略化している(硬め、柔らかめなどにも対応可能)。

メニューには餃子もあるが、こちらも食材などを配置してスイッチを押せば自動で焼き上がる“自動焼き餃子機”を用いる。スタッフによる味のぶれを最小限に抑える様々な工夫がなされている。

美味しいラーメンを出せば売り上げが増えるワケでもない

とはいえ、たとえば1号店である京成八幡店の周辺には、有名ラーメン店も数多く存在する。通常、個人店などのラーメン店はまず1号店を立ち上げ、ある程度の期間を経てから2号店、3号店へと広げていくが、麺や小僧の場合は半年(2015年5月まで)で50店という意欲的な目標を掲げた。しかも、1、2号店の出足好調を受けて、その期限を2015年3月までに前倒しする方針も打ち出している。

いくらラーメンブームとはいえ、美味しいラーメンを提供すれば売り上げが増加するとは言い切れないのがラーメン業界の恐ろしいところ。味はもちろん、店内の雰囲気や接客などの要素も重要になる。麺や小僧の急激な多店舗展開にはリスクもはらむ。

それでも、そもそも小僧寿しをめぐる業況を鑑みれば、持ち帰り寿しという業態そのものが色褪せてしまっている。さらなる新業態として計画しているというステーキ店などへの進出も含め、思い切った業態転換である麺や小僧の成功は、小僧寿しの再建に絶対不可欠な要素であることは間違いない。

はんつ遠藤 フードジャーナリスト

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はんつえんどう / Hantsu Endo

1966年東京都葛飾区生まれ。東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方を1人でこなし、取材軒数は8000軒を超える。『週刊大衆』「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑 誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』『おうちラーメン かんたんレシピ30』『おうち丼ぶり かんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』(以上、幹書房)など。

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