「人が寺を欲しがるんは、税金逃れだけが目的やない。寺の土地が欲しい人もいれば、墓地や納骨堂の経営目当てに、宗教法人を譲ってくれと言う人もおる」。5年前(2013年)の11月、京都駅に近いホテルのラウンジで会った老紳士(当時84)はこう語った。仮にA氏としておこう。関西の裏社会では名の知れた宗教法人のブローカーだった。
A氏の指摘のとおり、寺院などの宗教法人が所有する土地欲しさに、それに群がる事件師や地面師(土地取引を専門にする詐欺師)は少なくない。そして彼らの背後には必ず、“金主”として、その大小を問わず、不動産業者やファンド、金融業者が控えている。
そんな宗教法人の持つ土地の争奪戦が、つい最近まで都心の超一等地を舞台に繰り広げられていた。
六本木駅から徒歩3分、六本木通り沿いにある約4000平方メートルの土地。今は更地となり、フェンスで囲まれたこの場所にはかつて、曹洞宗の寺院「湖雲寺(こうんじ)」が建っていた。
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