有料会員限定

闇紳士が暗躍する 宗教法人売買の魑魅魍魎 税逃れから墓地経営まで目的さまざま

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
拡大
縮小
六本木駅から程近い場所にある湖雲寺の跡地。超一等地はいまだに更地のままだ

特集「宗教 カネと権力」の他の記事を読む

「人が寺を欲しがるんは、税金逃れだけが目的やない。寺の土地が欲しい人もいれば、墓地や納骨堂の経営目当てに、宗教法人を譲ってくれと言う人もおる」。5年前(2013年)の11月、京都駅に近いホテルのラウンジで会った老紳士(当時84)はこう語った。仮にA氏としておこう。関西の裏社会では名の知れた宗教法人のブローカーだった。

A氏の指摘のとおり、寺院などの宗教法人が所有する土地欲しさに、それに群がる事件師や地面師(土地取引を専門にする詐欺師)は少なくない。そして彼らの背後には必ず、“金主”として、その大小を問わず、不動産業者やファンド、金融業者が控えている。

そんな宗教法人の持つ土地の争奪戦が、つい最近まで都心の超一等地を舞台に繰り広げられていた。

六本木駅から徒歩3分、六本木通り沿いにある約4000平方メートルの土地。今は更地となり、フェンスで囲まれたこの場所にはかつて、曹洞宗の寺院「湖雲寺(こうんじ)」が建っていた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
宗教 カネと権力
「それでも宗教が果たすべき役割はある」
文化、教育、医療を支える「日本のバチカン」の憂鬱
覆面座談会
有名教団で内紛続発 宗教でも「3代目の法則」
5学会共同で作成したガイドラインが奏功
日本の苛烈献金が韓国の教祖一族を潤す
奇抜な広告宣伝の狙いは戦略的なマーケティング
大学の6校に1校が宗教系
宗教都市化する立川市、勝ち組教団の財力を解剖
税逃れから墓地経営まで目的さまざま
覆面座談会
豊富な資金で自己演出 離婚騒動で曲がり角
あの教団は誰とつながっているか
戦争世代減少で細る収入 靖国神社は生き残れるか
収益拡大、若年層取り込みに躍起
学会系企業の社長会議事録
墓地ビジネスの原点
「創価マネー」の巨大経済圏、墓苑では進出先と軋轢も
主流派の保有資産は10億円超
国税庁OBが解説
「社会の信頼なしに信教の自由は守れない」
「信教の自由」不可侵が隠れみのに
宗教界のタブー解明
深見東州「奇抜な広告の狙いは戦略的なマーケティング」(2018年8月配信記事より)
海外の著名政治家、音楽家を招く異形の宗教家
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内