元教科書調査官・高橋秀樹が教える日本史の新解釈 »»第壱章 驚きの日本史再発見

✎ 1〜 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

歴史の教科書は最新の研究や学説を反映して、つねに書き換えられている。10年前の歴史常識が、今は非常識になっていることもある。歴史学習の面白さを教科書調査官だった日本史研究者が伝授。

たかはし・ひでき●1964年生まれ。国学院大学文学部准教授。今年3月まで歴史担当の文科省教科書調査官。学習院大大学院修了。(撮影:尾形文繁)

特集「目からウロコの日本史再入門」の他の記事を読む

日本の大人たちは「教科書」に思い入れを持っていますね。さらには教科書が一つの価値基準になっていると感じることがあります。書店には、『○○の教科書』といった本がたくさんありますし、日常の会話の中で「教科書で教わった(あるいは教わらなかった)」といったフレーズを聞くことがあります。そういう意味で、日本では教科書信仰が強いのでしょう。そして、教科書の中でとりわけ関心を持たれるのが、歴史、特に日本史のようです。

しかしその大人たちが日本史の教科書をよく知っているかといえばそうでもない。昔、何十年か前に習ったうろ覚えです。現場の教員でも、複数の教科書をじっくりと読み比べる機会はあまりありません。ですから、多くの人は昔使った教科書、あるいは話題になった一部の教科書のイメージで、現在の教科書をとらえてしまっているきらいがあります。

関連記事
トピックボードAD