有料会員限定

日本人はなぜ西郷隆盛を論じてしまうのか 『南洲翁遺訓』の放つ存在感

印刷
A
A

NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」を意識しているからか、昨年だけで100冊以上の西郷隆盛関連本が出たという。今年は明治維新150年。活躍した人物は山ほどいるが、なぜか西郷の独り勝ちだ。

しかも日本のインテリは西郷に言及することが多い。福澤諭吉はもちろんのこと、「東洋のルソー」として知られる中江兆民、さらに三島由紀夫や司馬遼太郎までが、西郷を絶賛、あるいは否定的な言葉を残している。

西郷隆盛(近現代PL / アフロ)

ところが最も有名な『西郷南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)』が、本人の著作ではない。戊辰(ぼしん)戦争で官軍に敗れた庄内藩(山形県)は、苛酷な処置を覚悟していたが、寛大な処置で済んだ。それは敗軍を思いやる西郷の指示だとわかった。感激した庄内藩士たちは西郷に心酔し、薩摩に出向き教えを請うた。その言葉を集めたのが、『西郷南洲翁遺訓』というわけだ。

この『遺訓』、極めて薄い冊子であるが絶大な影響力を持っている。決して大げさな表現ではない。この小冊子を片手に歴史をたどると、まるで維新以降の歴史街道のガイドのような役割を果たすのだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
トヨタが新型クラウンから始める販売改革の衝撃
トヨタが新型クラウンから始める販売改革の衝撃
平気で「サラダ」を食べる人が知らない超残念な真実
平気で「サラダ」を食べる人が知らない超残念な真実
任天堂Switchが「6年目でもまだまだ売れる」根拠
任天堂Switchが「6年目でもまだまだ売れる」根拠
宅配ドライバー「多重下請け」で疲弊する深刻問題
宅配ドライバー「多重下請け」で疲弊する深刻問題
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
目からウロコの日本史再入門
有力大学の日本史入試問題
「なぜ」を考えさせる東大論述式
基本書から最新の研究まで50冊を厳選
敗戦直後の「戦争調査会」
大政翼賛会を招いた政党政治の未熟
優れた国際感覚を備えた保守政治家
将軍も諸藩も「公武合体」は自明だった
叩き上げでも勘定奉行になれた
事態が長期化した南北朝時代
»»第弐章 日本史の「深層」を探る
有業者のわずか5%
歴代8人の女性天皇が存在
『南洲翁遺訓』の放つ存在感
東大名誉教授 三谷博が教える
歴史通 出口治明が選んだ
テレビでもおなじみ 本郷和人が語る
元教科書調査官・高橋秀樹が教える日本史の新解釈
»»第壱章 驚きの日本史再発見
目からウロコの日本史再入門
こんなに変わった歴史教科書
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内