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東大入試で日本史を理解する 「なぜ」を考えさせる東大論述式

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歴史の本質的な理解が問われる東京大学の日本史の入試問題(撮影:尾形文繁)

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学生時代の歴史の試験問題というと、空欄の穴埋め形式で人名や年号を答える問題や、選択肢文の○×を選ぶ問題を、思い浮かべる方も多いでしょう。

しかし、東京大学の日本史の入試問題(以下「東大日本史」と略します)は、そうした〈重箱の隅をつつくような知識を問う〉という私たちの入試問題に対するイメージを、粉々に打ち砕きます。

論より証拠、問題1をご覧ください。「諸君が伊藤博文らの調査団に加わっていたと仮定し」という問い方からして、タダモノではありません。しかし、問われている内容は、明治政府が立憲制度の導入を急いだ理由を考えさせる、掛け値なしの本格派です。

問題文には、「ドイツの政治家や学者」が「改革は余りに急進的」で「必ずしも賢明なこととはいえない」と忠告したとあります。明治政府が発足した1868(明治元)年から、伊藤らの渡欧は15年も経っていません。また、オスマン帝国(トルコ)が1876年に非ヨーロッパ国で初の憲法(ミドハド憲法)を制定しましたが、拙速ゆえに機能せず、2年後には憲法停止に追い込まれています。忠告はもっともです。

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