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所領が増えない悲劇 現代に通じる閉塞感 事態が長期化した南北朝時代

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1336年に後醍醐天皇が吉野行宮を置き(南朝)、京都の朝廷(北朝)との50年におよぶ争乱の南北朝時代が始まった。写真は桜の名勝となっている吉野山。(Yp111 / PIXTA)

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周知のごとく、南北朝時代は日本史の中でもマイナーで人気のあまりない時代である。それは一般の歴史ファンの方々だけではなく、実は専門家にとってもそうであって、現在南北朝時代の政治史や制度史を研究している研究者は少ない。

その理由について、筆者は今まで何度か述べたり書いたりした記憶があるが、歴史ファンの視点で見た場合、大きく分けて二点あると考えている。

第一に、イデオロギーの問題である。戦前、南朝が正統の朝廷と認定されたことで過剰に南朝を賛美する歴史教育が行われ、足利氏は逆賊としてほぼ全否定された。そうした教育の影響で、南北朝時代が日本史で最も人気があった時代であったもようだが、過度にバランスを欠いた教育が当時の政治に悪影響を及ぼした側面は否めないであろう。戦後、その反動で南北朝時代は一種のタブーとなってしまった観がある。

第二に、南北朝史の複雑怪奇さである。多くの武将が南朝と北朝を頻繁に行き来し、離合集散を繰り返す。非常に仲のよかったはずの将軍・足利尊氏と直義(ただよし)の兄弟でさえ、全国を股にかけて互いに殺し合う修羅の世界だ。

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