有料会員限定

なぜ蒙古軍を撃退できた? 作られた「神風」幻想 »»第弐章 日本史の「深層」を探る

印刷
A
A
上陸が予想された博多湾の海岸には堅固な防塁が築かれた(提供:福岡市)

特集「目からウロコの日本史再入門」の他の記事を読む

敵失に助けられ勝利

蒙古襲来は、前近代において日本が体験した外国からの侵略戦争で最大のものである。

文永の役(ぶんえいのえき)(1274年)、弘安の役(こうあんのえき)(81年)と2回にわたり、蒙古軍が九州北部と一部は長門(ながと)(山口県)に上陸した。だが日本は蒙古軍を撃退した。この勝利について、のちに嵐によるものと認識され、嵐は「神風」と称されるようになった。神風は太平洋戦争中は戦意高揚の象徴にもなった。

確かに二度とも嵐はあったし、戦闘に影響している。では嵐による影響はどの程度だったのか。冷静になって本質を検討したい。

まず文永の役。この戦での嵐は台風ではない。文永の役で博多合戦があったのは現代の暦では11月下旬。この季節に九州北部に台風が来ることはない。この季節は寒冷前線が通過する。海が荒れ、現代でも東シナ海や日本海で沈没事故がしばしばある。

文永の役では、これまでの通説により、蒙古軍は1日で帰ったと信じられている。しかし外国遠征軍が、負けてもいないのに1日だけで帰るだろうか。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
目からウロコの日本史再入門
有力大学の日本史入試問題
「なぜ」を考えさせる東大論述式
基本書から最新の研究まで50冊を厳選
敗戦直後の「戦争調査会」
大政翼賛会を招いた政党政治の未熟
優れた国際感覚を備えた保守政治家
将軍も諸藩も「公武合体」は自明だった
叩き上げでも勘定奉行になれた
事態が長期化した南北朝時代
»»第弐章 日本史の「深層」を探る
有業者のわずか5%
歴代8人の女性天皇が存在
『南洲翁遺訓』の放つ存在感
東大名誉教授 三谷博が教える
歴史通 出口治明が選んだ
テレビでもおなじみ 本郷和人が語る
元教科書調査官・高橋秀樹が教える日本史の新解釈
»»第壱章 驚きの日本史再発見
目からウロコの日本史再入門
こんなに変わった歴史教科書
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内