国内消費の回復は年後半 アジアで一段のM&Aも--三宅占二 キリンホールディングス社長

国内消費の回復は年後半 アジアで一段のM&Aも--三宅占二 キリンホールディングス社長

2010年はキリンホールディングスにとっても激動の年だった。2月にサントリーとの世紀の大提携が白紙となり、5月にはグループ傘下、ワイン大手メルシャンで不祥事が発覚。記録的な猛暑の恩恵はあったものの、8月のビール類出荷数量は前年同月比を下回った。ライバル・アサヒビールに上半期のシェアトップを2年ぶりに奪われた。12月には、オーストラリアの乳製品会社ナショナルフーズ買収時に生じたのれん等の一部、388億円を減損損失として計上すると発表した。

国内市場が縮む中、11年も熾烈なシェア争いが予想される。海外市場の争奪戦も激化する。同社の長期経営ビジョンは15年に売上高3兆円、海外売上比率30%を目指すが、今はちょうど中間点。これまで積極化してきた海外M&A案件をどう育てるのか。三宅占二社長に聞いた。

--三宅社長にとって、10年はホールディングスの社長に就任した最初の年。どう感じましたか。

それまで経験していた(キリンHD傘下の)キリンビールの社長は1事業のトップにすぎなかった。今はグループを束ねていかなければならない。何か起きてから対応する発生対応では遅い。必要な施策をつねに早め早めに打っていく必要がある。

--10年はサントリーとの経営統合が破談になり、子会社メルシャンの水産飼料事業では架空・循環取引という不祥事が明るみに出ました。

サントリーとの件は、国内で熾烈な競争を繰り広げる相手とも、今後の企業成長を考え、同じテーブルにつく時代になってきたということ。ビールやキリンビバレッジの現場には意外感もあったと思う。結局、話が進まなくなったことはたいへん残念だが、われわれの長期経営ビジョンの軸がブレることはいっさいない。

メルシャンの件は、水産飼料事業の特殊性や人事の硬直性から起きたコンプライアンス違反だった。幸い、当事者が私腹を肥やしていたわけではなかったが、違反は違反。メルシャンが第三者委員会を立ち上げ、その報告を受け、改善に乗り出した。

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