「強い米国株の上昇はまだ続く」 マネックス・山岸大統氏に聞く米国株投資法
根強いファンがいる企業は、高いブランド力を持っています。たとえば掃除機を例に挙げてみましょう。これまで日立の掃除機を使っていた人がパナソニックの掃除機に切り替えるということは、よくあるケースですが、ユニークなデザインで有名になったダイソンの掃除機を使っていた人が、壊れたからといってパナソニックの掃除機に切り替えるというケースは、多くはないでしょう。
これは、ダイソンの掃除機が非常に高いブランド力を持っているからです。そういう強いブランド力を持ったメジャー企業から投資対象を絞り込んでいけば良いと思います。
まず複数銘柄買ってみることが必要
――メジャー企業といってもいろいろありますが、そこから投資対象を絞り込むためには、どういう点に注目すれば良いのでしょうか。
人々の生活を豊かにする企業が基準です。たとえば、一部の富裕層にのみ活用されるような製品・サービスを提供する企業は、幅広く個人投資家の支持を集めるのが困難です。その意味で、誰もが企業名を知っているような、メジャー企業が有力な投資対象になるのですが、その中から敢えて絞り込むならば、自分が今、何にお金を使っているのか、というところから考えてみると良いでしょう。
たとえばスターバックスです。同社が提供しているのは、いわゆるハイテクとは関係もない、コーヒーです。にもかかわらず、スターバックスの店舗には人が絶えません。これは、同社が今までと違う価値観を提供しているからです。
あるいはアップルコンピュータ、グーグルなども、世の中の人があまねく、その製品やサービスを利用しています。このような企業には、莫大な利益が眠っていますから、奇をてらって穴株を探す必要はありません。その点でも、米国企業への投資は、王道を狙っていけば良い、ということになります。
――米国株投資で大きく成功するには、どうすれば良いでしょうか。
今後、成長する可能性の高い企業、夢がありそうな企業の株式をいくつかピックアップして、とりあえず複数銘柄を買ってみることです。投資はまず、やってみなければ始まりません。米国株式は少額資金で投資できますから、まずは投資してみましょう。
また、たとえばスターバックスコーヒーやiPhoneなどのように、世の中で流行っているものがあったら、投資価値があるかどうかを自分自身で考えてみましょう。その習慣を身に付けるようにすれば、徐々に米国株投資で成功する可能性が高まると思います。
――最後に、米国株で代表的な銘柄というと、どのようなものがありますか。
いくつかテーマに分けて個別銘柄を挙げてみましょうか。まず高配当株だと、半導体メーカーのインテル、金融サービス会社のJPモルガン・チェース、世界最大のソフトウェア会社のマイクロソフトがあります。その他、優良成長株では、iPhoneで誰もが知っているアップル、電子決済サービスのVISA、エンターテインメントのウォルト・ディズニー、スポーツ用品のナイキなどが代表的です。
一方新興株だと、電気自動車のテスラ・モーターズ、コーヒーチェーンのスターバックス、SNSサービスのフェイスブックなどがあります。あくまでも代表的な企業ですが、誰もが一度は製品・サービスを利用した経験があるでしょう。こうした、私たちの生活に密着した企業に投資できるのが、米国株投資の魅力のひとつなのです。
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