中国わがまま消費世代「80后」、物欲まみれのまま、結婚し親になる
粉ミルクというと三鹿集団産メラミン入り粉ミルクをはじめとした中国産粉ミルクへの不信で、日本産をはじめとした外国産粉ミルクへの信頼はより厚くなった。インターネットを利用して日本から粉ミルクを取り寄せることが、金銭面で余力ある家庭では当たり前のこととなった。
こう書いていくと、80后の親たちは前の世代以上に子育てに熱心なように思えるが、その一方で、わが子に興味がなく「(高齢の)親が欲しがるから産んだ」とばかり、育児を高齢の親と家政婦に任せ、物欲が旺盛で責任感のない新米ママパパもまた急増している。筆者自身も見ていて頭が痛くなる親も数多く見た。
あまつさえ、新生児に変わった服を着せて注目を浴びようとするネタ動画が、しばしば動画投稿サイトにアップされ、「近頃の親は…」と子供じみた親を問題視する声も増えている。
子供用学習教材や学習機への注目度は高いが、どうも一部の親は従来の「ノートパソコンが欲しい」「デジタル一眼レフカメラが欲しい」「クルマが欲しい」といった欲望の延長で、とりあえず購入したいように見える。
ともかく最近のおカネに困らない新米ママパパは、わが子を溺愛するにせよ、逆に育児を放棄するにせよ、乳幼児向けの安全な製品や子供向け学習教材などの魅力的なサービスに貪欲である。
ネットや口コミで情報を得れば得るほど、日本がらみの情報に触れることになる。さらに粉ミルクを日本向け製品に依存するだけでなく、都市部のデパートのおもちゃ売り場でも、口に入れる可能性があるからか、特に乳幼児向けの製品に関しては日本向け製品を輸入したもの当たり前のように並んでいる。
潜在的に日本商品へのニーズが高い中国。80后の親たちが主役となった今、ネットを効果的に利用すれば、日本の良質な子供向けサービスや製品をセレブたちの間で認知させることができるだろう。育児、教育関連の子育て世代向けの産業は、中国進出のチャンス到来かもしれない。
やまや・たけし
中国内陸部在住のIT専門ライター、中国のIT事情を中心に取材・執筆。著書に『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンク新書)。
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