クボタ、大型農機で欧米市場に切り込む フランスに工場建設、需要増でさらに新設も

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前社長の時代から念願だった大型農機で欧米市場の開拓を狙う
クボタは、2015年春から本丸の攻略に打って出る。フランス北部に新設した工場でエンジン出力130~170馬力クラスのトラクターを生産、欧州と北米などで販売開始する。特に北米は、世界で4兆円とされる大型農機市場の4割を占め、クボタとして畑作用の大型トラクター本格参入となる。
2014年6月に急逝した益本康男前会長兼社長の後を受けて指揮を執るのが木股昌俊社長。若手社員だった時代に益本氏と同じ工場で働き、「大きなトラクターを作りたい」「グローバルメジャーブランドのクボタを作りたい」との互いの思いを語り合い、世界地図を広げ「この国とこの国に工場を作ろう」などと話し合う仲だったという。
コマツや三菱重工と並ぶ日本を代表する機械メーカーとなったクボタが、どこまで成長を加速できるか。木股社長に成算を聞いた。

 

――前社長時代から悲願だった大型トラクターの販売にいよいよ乗り出す。

欧州と北米でディーラー(販売代理店)に新型機種を披露した。非常に評判がよかったので、手応えを感じている。北米のディーラーからは生産計画以上に出荷しなければならないような、受注をもらったくらいだ。

農機最大手のディアと真っ向勝負

――今まで北米で展開するクボタのトラクターは130馬力以下がメインだった。

従来は公園や個人の庭の草刈り、軽土木に使うようなコンパクトトラクターが主力。今度の機種は畑を耕す、牧草を運ぶ、刈る、などの農作業用で、農家が買ってくれる。従来とは全く違うお客様になる。

ディーラーにとっても、クボタの大型トラクターは長年の要望だった。というのも、大型は他社製品を併売しなければならなかったからだ。メーカーが異なると販売戦略もサービスの基準も違うため、ディーラーは不満を持っていた。だが今回の大型機種投入で、クボタ製品だけでやっていくめどがついたはずだ。

ただ、ラインナップをそろえるには、あと一歩。今回は170馬力なので、次は250馬力クラス。開発の企画にこれから入るところだ。

――大型トラクターを販売する米ディア社など世界大手と競争になる。

これまでもクボタが主力の小型クラスに大手が商品投入しており、すでに競争している。さらに競争する市場が増えることになるが、お客様の要望がある限り、応えなければならない。

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