海外投資には、国内への投資とは異なるリスクが存在する。とはいえ、決して怖がる必要はない。なぜならリスクは、ある程度コントロールできるものだからだ。ただ、そのためにはリスクの性質を把握しておく必要がある。以下、海外投資につきものの、六つのリスクについて見ていこう。
1. 為替変動
海外に投資する際は、株式であれ債券であれ、投資信託であれ、基本的に投資通貨は外貨建てになる。もし米国に投資するなら、手持ちの円を米ドルに替えて投資し、売却したときには円転(円に戻すこと)する。この間に、為替が円安ドル高になれば「為替差益」を得られるが、円高ドル安が進むと「為替差損」を被る。
直接、損益を左右するので気になるリスクだが、それは考え方一つだ。目先、外貨高が進むことで得られる為替差益を狙った投資をするなら、為替変動はリスクになるが、全資産を円で保有するリスクをヘッジする目的で外貨に投資するなら、為替変動は気にならなくなる。
保有資産をすべて円建てにしておくと、円安が進んで輸入物価が上昇したとき、相対的に保有資産の価値が減ってしまう。このリスクをヘッジするには、資産の一部を外貨建てにして持ち続ける。つまり外貨を円資産の保険として保有するのだ。
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