トランプ氏の勝利以降、円安が急激に進行している。東証1部に上場する企業の想定ドル円レート(中央値)は1ドル=110円ほど。このまま110円台で推移すれば、2017年3月期は製造業を中心に利益が数%押し上がる。今、日本株が上昇しているのは、業績の上振れが期待される、大型の外需株に買いが集まっている面が大きい。
だが、ぬか喜びは禁物だ。今回の円安は、トランプ政権の財政政策への期待と、FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げに伴うドル高が主要因だ。12年末からのアベノミクス相場、そして日本銀行の異次元緩和に伴う円安とは違う。
トランプ氏は、大統領に就任するまでは強気な発言を続けるだろうが、その後もドル高を容認するかは不透明だ。格差の是正を主眼に置く新政権にとって、ブルーカラーを多く抱える製造業の首を絞めるドル高政策を継続できるとは思えない。
図表1にあるとおり、円安が進んでいる間は、相対的に大型株のパフォーマンスが高いのは確かだ。だが、円安が定着し小康状態に入るとパフォーマンスは低下し、小型株が優位になる。円安だから外需大型株という判断は短絡的だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら