ベネズエラ、ボリビア、ロシア――世界中を資源ナショナリズムが吹き荒れている。その谷間で、日本の向かうべき道が見えてきている。
すべての始まりは、2000年代に入ってからの原油価格高騰だった。資源価格高騰の流れは天然ガス、石炭、ウラン、果てはトウモロコシ(バイオエタノール原料)にまで波及し、今や1970年代の石油危機を彷彿とさせる混乱ぶりだ。ところが、日本人は、「何となく他人事」というエネルギー平和ボケ状態にある。
平和ボケの原因は、電力会社やガス会社の“作戦成功”と表裏一体だ。70年代まで日本の発電は7割以上を石油火力に依存し、石油危機で家庭の電気代も高騰した。しかし、これを教訓に電源の多様化が進み、現在の石油火力シェアは2割以下。だから、石油高騰の影響を受けにくい。
天然ガスはLNG(液化天然ガス)の価格が安い時代から、10~20年の長期調達契約を取ったことが奏功。現在家庭や発電所が使うガスは一昔前の低価格がベースだ。こう考えると、普通の日本人がエネルギー高騰を感じることができるのはガソリン価格くらいなのだ。
しかし、エネルギー資源の高止まりは今後もやむことはないというのが大方の見方だ。今後10年、ほぼ全面的にエネルギー資源を輸入に依存する日本では、その影響は目に見える形で出てくるに違いない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら