盤石に見えるオリエンタルランドだが、投資家からは「魅力がない」との声も挙がる。課題はTDRの“次”の戦略だ。
「投資対象としてまったく魅力がない」。オリエンタルランド(OLC)は、海外投資家から時としてそう見られる。
テーマパークで独り勝ちを続ける東京ディズニーリゾートだが、OLCという企業としてみると、また違った側面が浮かび上がる。OLCの自己資本当期利益率(ROE)は4.7%(2009年3月期)。世界的にROE10%以上が優良企業といわれる中、OLCのそれは遠く及ばない。つまりOLCは、投資家から集めたおカネを十分に活用し切れていないことになる。
OLCの課題ははっきりしている。それは次の成長戦略をどう描くかということだ。
OLCグループの経営資源は舞浜に集中する。東京ディズニーランド・ディズニーシーという二つのテーマパークと、三つの直営ホテル。08年10月にはカナダのサーカス団体「シルク・ドゥ・ソレイユ」専用劇場も開業した。モノレール「舞浜リゾートライン」の運営も手掛ける。
OLCの営業利益のうち、テーマパーク事業の構成比は実に86%(09年3月期)。そのテーマパークについては、現状でもまだ拡大の余地があるのは確かだ。「特にディズニーシーにはポテンシャルがある。今後はシーを伸ばす施策を重点的に行う」(明石泰典・テーマパーク統括部長)。当初「大人向け」と喧伝されたディズニーシーだが、今後はファミリー層を意識したアトラクションを拡大。ディズニーキャラクターの露出も増やす。その目玉が11年に投入される新アトラクション「トイ・ストーリー・マニア!」だ。ディズニーシーには東京ディズニーランドの倍近い初期投資をかけており、同パークの収益性を高めることが、ROEの改善にもつながる。
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