ディズニーにとってグローバル展開は今後の成長戦略の要。そのカギはコンテンツの「輸出」ではなく各国に合わせた「ローカル化」だ
11月初旬、ロシアでディズニー映画『ブック・オブ・マスターズ』が劇場公開された。ロシアに伝わるおとぎ話を基に、ロシアの俳優を使い、ロシアで制作されたロシア語の実写映画だ。ディズニーにとって、ロシアでコンテンツを制作するのは初めての試み。が、実はほかの国ではすでに例がある。ディズニーはここ数年、世界各国で独自のコンテンツを数多く制作しているのだ。
たとえば中国では、2007年の『シークレット・オブ・ザ・マジック・ゴード(宝胡芦的秘密)』に続き、今年5月には『タッチ・オブ・パンダ(熊猫回家路)』と2本の映画が公開されて好評を得た。前者はCGアニメーション、後者は中国四川省における実話に基づく実写映画だ。またインドでも、08年から『ロードサイド・ロメオ』など2本のアニメーション映画が現地で独自に制作されている。
南米では、ABCの大ヒットドラマ『デスパレートな妻たち』が米国での放送後、アルゼンチン、コロンビアおよびエクアドル、ブラジルの4カ国バージョンにリメークされた。単にせりふを吹き替えただけではない。現地の俳優を起用し、背景も生活習慣もすべて現地に合わせて、イチから制作されたものだ。
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