世界的規制強化を警戒 市場経済を再認識せよ

世界的規制強化を警戒 市場経済を再認識せよ

第1次世界大戦後、ドイツは敗戦の混乱の中から独裁制を排した民主的国家の建設に向かった。ワイマール共和国である。だが、この理想国家は凶暴なハイパーインフレこそ乗り越えたものの、国際流動性の拡大と縮小によるデフレ圧力や各国による通貨切り下げ競争、そして、金融危機という一連の流れには耐え切れなかった。誕生から政治的なダッチロールの果てに崩壊するまで、わずか16年足らずのことである。

その間、20の連立内閣が誕生しては消えた。単純計算すると、内閣の平均寿命は8カ月強でしかない。その政治状況に少なからず影響を及ぼしたのは独特の選挙制度だったという指摘がある。同共和国の選挙制度は候補者個人ではなく、政党を選ぶ比例選挙だった。いきおい、選挙のつど、現状に不満を抱く国民の意思が政党間の浮沈を増幅させた。

最終的には、戦時賠償金の外圧回避のための貧困政策も加わった激しい経済的疲弊への地方の不満がナショナリズムを混在させて爆発。アドルフ・ヒトラーが率いるナチスが地方選挙で次々に勝利を収め、統制・全体主義が全土を覆う。かくして、ワイマール共和国は絶命、歯止めの利かない通貨切り下げ競争で国際通貨システムも崩壊。世界は第2次大戦へと突入した。

過剰流動性と規制強化

ひるがえって、わが国と世界の今はどうか。わが国でも地方の疲弊は著しい。不満は鬱積しつつある。茨城県議会議員選挙での民主党惨敗はその象徴だろう。一方、国政選挙制度にはワイマール共和国と類似した部分がある。しかも、自民党政権末期から4代続いて連立政権は短命。今の菅直人内閣も足元がおぼつかないときている。大政翼賛をイメージさせる大連立に向けた顫動(せんどう)も水面下で起きている。

それだけではない。もっと視野を広くすると、世界は混沌としている。背景には、金融危機に起因した主要国による量的緩和で供給された国際流動性の蠢(うごめ)きがある。代表格にある米国では、最近もFRB(連邦準備制度理事会)が総額6000億ドルの量的緩和を開始している。

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