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無法地帯と化す世界 [誌上講義2 政治]英国に解体のリスク

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細谷 雄一 慶応義塾大学法学部教授

なぜEU(欧州連合)からの離脱を英国国民は選択したのか。欧州の国際政治に詳しい細谷雄一教授が、英国とEUの政治・外交の歴史をひもときながら解説する。

ほそや・ゆういち●1994年立教大学法学部卒。英バーミンガム大学大学院で国際関係学修士号を取得、慶応義塾大学大学院博士課程修了。博士(法学)。米プリンストン大学客員研究員などを経て現職。専門は英国外交史、国際政治学。(撮影:今井康一)

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英国は1973年にEUの前身、EC(欧州共同体)への加盟を実現した。その目的は、あくまで経済的な実利を得ることだった。

第2次世界大戦直後、戦争で大陸は荒廃していたこともあり、英国の主な貿易相手は米国や英連邦の国々だった。ただ60年代に入ると、ECの原加盟国であるフランス、ドイツ、イタリア、そしてベネルクス3国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)の6カ国との貿易額が大きくなった。自国の経済成長には欧州統合への参加が不可欠と考えた。

だがサッチャー政権以降、風向きが変わっていく。欧州統合をめぐる議論に、経済的メリットだけでなく、イデオロギーも持ち込まれた。

転機はEUの発足だった。ECとは異なり、EUは経済だけでなく社会、外交、安全保障の政策でも統合を進める。英国内では経済以外の分野での統合への反発が生まれた。その反発に拍車をかけたのが、昨今のユーロ危機と難民問題である。

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