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欧州混迷でリスクオフの円高が決定的に [誌上講義3]為替

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榊原 英資 元財務官

6月24日、英国の国民投票の結果が「離脱派の勝利」と判明すると円相場は1ドル=99円台まで急騰。欧州情勢の混乱は円高の加速要因となった。為替相場の先行きをどう読むべきか。1995年に米国との協調介入で超円高を止めた「ミスター円」こと、榊原英資氏が解説する。

さかきばら・えいすけ●東京大学経済学部卒、1965年旧大蔵省入省。米ミシガン大学経済学博士号取得。国際金融局長、財務官を経て99年退官。慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年から青山学院大学教授。(撮影:風間仁一郎)

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円相場はこの先も緩やかな円高傾向が続くと見る。

今回の事態を受けて、市場はほかのEU加盟国でも離脱機運が高まるのではないかと警戒感を強めている。実際、ここ数年で反EU派の政党が躍進している国もある。英国に続いて離脱を選ぶ国が本当に出てしまったら、これはもうEUの崩壊だ。そして、そのリスクはけっこうある。

今後、欧州の不安定な状況が嫌気されると、ポンド安やユーロ安が続き、「安全通貨」としての円が買われる傾向がよりいっそう強まる。この流れはあまり変わりそうにない。

いったん1ドル=99円台になった後、102円前後の水準で上にも下にも動いていないのは、日本が為替介入に動くかもしれないという警戒感が市場にあるからだ。加えて、日本銀行がどこかのタイミングで追加の金融緩和を実施するとの予測も働いている。

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