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英国エリートの本心は反EU 腹の底ではドイツを疑う

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EU離脱決定で歓喜するロンドンの離脱派の人々(KPS)

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英国が欧州連合(EU)を嫌うホントの理由は何なのか。まず、規制が本当にたくさんある。膨張する予算と官僚組織は「バベルの塔」を彷彿させる。英国に議会や政府があるのに、なぜ屋上屋を重ねるEUが必要なのか。ドーバー海峡を隔てたブリュッセルに英国民の生活や気持ちはわかろうはずもない。難民危機で100万人を超える難民がEU域内に押し寄せた。さらにEU拡大が続けば、英国内の移民がどれだけ増えるのか見当もつかない。そんな不安が背景にはあるのだが……。

英国民はみんなEUが嫌いかといえば、決してそうではない。欧州債務危機でEUの支援を受けた親EUのギリシャやスペインの若者は、雇用と教育費の削減でEUが大嫌いになった。一方でEUにいちばん懐疑的な英国の若者はEUが好きになるという皮肉な逆転現象が起きた。では、どんな人がEU嫌いなのか。

英実業家で富豪のアッシュクロフト卿(保守党)が私費で国民投票の当日に実施した出口調査(1万2369人)では年代、社会階層、支持政党で離脱と残留が二分された。世論調査が外れたのは事前データに反して下級管理職層が離脱に傾いたことも大きい。世界金融危機の後、金融機関への公的資金注入、雇用削減と賃下げ、緊縮財政による社会保障の切り詰め、量的緩和による格差拡大で割を食った人たちが国民投票で不満をぶちまけたともいえる。

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