1万4000円接近も政策総動員なら年末高
藤戸則弘 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア投資ストラテジスト
英EU離脱は米国の利上げ観測後退や英国での金融緩和期待をもたらし、株価も一時の急落からは回復基調にある。しかし、2013年5月の「バーナンキショック」など、過去の例では大きな株価下落の後、2カ月ほど経って実体経済の悪化による二番底が来ることが多い。想定以上の円高により、8~9月には今期業績見通しの下方修正ラッシュもありえる。日経平均は一時的に1万4000円接近が考えられるが、そうなれば政府・日銀も動かざるをえない。10兆円規模の財政出動や、追加緩和など、政策の総動員が期待される。ETF(上場投資信託)買い入れ枠拡大や、買い入れ資産の対象拡大など、追加緩和の手段はいろいろ考えられる。
ベストシナリオでは年末に1万7500円までの株価上昇はありうる。企業の優勝劣敗が鮮明になっている。電機ではイメージセンサーやプレステVR(仮想現実)に期待が集まるソニー、小売りでは円高メリットもあるニトリ、低価格のしまむらなどが比較的堅調だ。有機ELメーカーの設備投資増で、製造装置にも追い風が吹いている。下落局面では、個別に優良銘柄を探していくといい。
欧州リスクは残り二番底、三番底も
広木 隆 マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
7月末に向けては政策期待も含めて日経平均株価が持ち直す可能性もある。しかし、年末にかけては3つのリスク要因が考えられる。1つは欧州の金融機関の信用リスク問題。ドイツ銀行の経営不安問題は収まったわけではなく、イタリアの金融機関でも不良債権が膨らんでいる。EUの厳格なルールの下では、一国が公的資金で金融機関の救済に動くハードルが高くなっている。2つ目は年初から運用成績が低下しているヘッジファンドの解約影響。9月末のタイミングで解約が増えれば、市場にマイナスとなる。3つめに、11月には米大統領選挙という政治リスクもある。8月に二番底、10~11月に三番底を試すような展開もありうる。
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