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政治・経済・投資 #EU危機

「トランプ当選」 ウォール街究極のリスク

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  • 松浦 肇 産経新聞ニューヨーク駐在編集委員
国境を越えて飛び火するポピュリズムの終着点はトランプ氏の米国大統領就任か(ロイター/アフロ)

国民投票で英国のEU(欧州連合)離脱が決まった週明け、米運用会社ガードナー・ルッソ&ガードナーを率いる著名投資家のトム・ルッソ氏は、離脱派の代表格である英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首にインタビューするテレビ中継を眺めていた。

「独立を勝ち取った」と空虚な言葉が並ぶだけで、次の一手をまったく考えていないではないか──。ルッソ氏はEU離脱が英国経済に与える悪影響を離脱派が理解していなかったことに驚いた。

EU単一市場へのアクセス権を失う可能性があり、ロンドンは国際金融センターとしての地位が低下し、経済成長の源泉で年金財政にも貢献する移民も減少する。難民受け入れやEUの官僚的な差配が嫌だったとはいえ、教育機関を中心にEUからの補助金を失うし、米国とEUが交渉中で英国もメリットを受ける環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)の妥結も遅れる。ネット(差し引き)では損するEU離脱には、経済的な合理性がない。

このため、投資家の大半は英国「残留」に張っていた。市場にとって、「離脱」は完全なサプライズだった。

1992年の英ポンド危機を演出し、「イングランド銀行を負かした男」として知られるジョージ・ソロス氏がドイツ銀行株をカラ売りしていたが、ソロス氏にしては金額は小さくて本腰が入っていなかった。そもそも、ソロス氏はポンドの買い持ち高を抱えていたという。ロンドンに本拠を置くヘッジファンドのオディー・アセット・マネジメントが英国株をカラ売りしたことが話題になったが、オディーは昨年から運用成績が低迷しており、逆転狙いで一発当てにいっただけ。「離脱」に張る取引はマイナーだった。

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