国民投票が迫る英国の生の声とは 離脱派、残留派の論客を直撃

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(インタビュー聞き手:小林恭子)

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英国は1973年にEC(欧州諸共同体、その後現在のEU〈欧州連合〉)に加盟した。域内単一市場への参加で競争力を磨き、経済の繁栄につながった。加盟は奏功したといえる。75年の加盟についての国民投票でも残留派が勝った。

しかし、その後のEUは私たちの生活のありとあらゆる面を牛耳るようになった。今では、英国の法律の大部分を実質的にはEUの官僚が作っている。欧州人権裁判所の判決もそのまま受け入れざるをえない。

政治統合を目指して進むEUから離脱したいと思うのは、独立した国家としての歴史が長い国であれば当然だ。主権を取り戻したい。

離脱すれば経済が悪化すると言う人がいるが、そうではない。EUは加盟国同士では自由貿易を行えるが、域外からすれば保護主義体制を築いている。たとえば農産物だ。域外の国がEUの農産物を輸入すると、20%高い価格になる。EUに加盟しなければもっと安く輸出できる品物を英国は高い価格で域外に出している。私の調査ではこれによって英国が失っている金額はGDP(国内総生産)の4%にも上る。

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