提携すれど再建は途上 三菱自動車の“益子流”経営

提携すれど再建は途上 三菱自動車の“益子流”経営

「株価にかかわるのでスキームは言えないが、(今度の中期経営計画に)資本政策は盛り込まない」。2010年12月13日夜、三菱自動車の首脳は明言した。

明くる14日。三菱自は日産自動車と軽自動車の共同生産などについて提携を発表した。両社が折半出資の会社を2011年初めに設立、三菱自が軽の開発と設計を、日産が購買を担当し、12年にはそれぞれのブランドで販売するというものである。三菱自の国内市場シェアはわずか3・6%にすぎない。国内ディーラーの「軽が欲しい」との大合唱に、共同開発・生産という妙案で応えた格好だ。

一方で三菱自は、仏プジョー・シトロエン(PSA)と、電気自動車「i‐MiEV」等をOEM供給するほか、ロシアで合弁工場を運営するなど、親密な関係を築く。ただし日産・PSAとも、資本提携までは踏み込んでいない。

自社で足りない部分は、他社の経営資源を借りて補えばいい--。三菱商事出身の益子修社長は、案件ごとに「限定」した業務提携を次々構築。それは特定の企業グループには肩入れせず、広く取引関係を構築する、総合商社のスタイルにもどこか似ている。世界的な自動車業界再編の中で生き残るための、したたかな“益子流”経営ともいえる。

優先株問題は先延ばし

だが04年に経営危機に陥った三菱自にとっては、華やかな提携とは別に、解決しなければならぬ最大の難関が横たわる。優先株の処理問題だ。当時は資金繰り策として、三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行を中心とした三菱グループに対し、総額6300億円の優先株を発行。10年9月末の残額は4375億円に上る。本来なら、株主に対し年間200億円以上の配当を行うはずが、累損7700億円を抱えているために見送った。

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