教える人 早稲田大学教授 井上達彦
ビジネスモデルの意味を「儲けるための仕組み」と理解している人は少なくありません。特に2000年代以降、インターネットを活用して収益を得るビジネスが続々と誕生するにつれて、この解釈が主流になってきたように思います。
確かにこの解釈は定義としては間違いではありませんが、私は本質的に異なるとらえ方をしています。それは、ビジネスモデルとは、事業や儲けの仕組みを設計したり構築したりするときに必要な「型(かた)」や「お手本」だという考え方です。
抽象化した「型」を自社の仕組みに適用
そして、その型を模倣することで新しいビジネスモデルやイノベーションが生まれる、というのが私の基本的なスタンスです。実は国内外を代表するいくつかの企業も、ほかの会社を模倣することで新たなモデルを構築しています。
たとえば日本にコンビニという流通革命をもたらしたセブン−イレブン・ジャパン。創業者の鈴木敏文氏は、全米に展開する米セブン−イレブンを目の当たりにして、零細小売店を復活させるビジネスモデルと確信し、国内にこの仕組みを持ち込みました。
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