教える人 バブソン・カレッジ 准教授 山川恭弘
最近は日本でもユニークなベンチャー企業が出てきました。バイオ素材開発のスパイバーや電気自動車開発のGLMなどです。今年1~6月の新規上場も43社と、昨年同期の26社から大幅に増えました。
しかしグローバルで見ると、日本の起業活動は低調と言わざるをえません。2014年、米バブソン・カレッジや英ロンドン・ビジネススクールなどが共同で行った世界の起業活動調査によると、日本で起業活動にかかわりがある者は100人中わずか3.8人(図表1)。調査対象70カ国中、下から2番目の低さです。
そもそも日本では、世界における起業研究が紹介されることはほとんどありません。私は現在、起業家教育に特化した大学として知られるバブソン・カレッジに籍を置いています。今、起業の本場ともいえる米国で何がテーマとなっているのか。その一端をご紹介しましょう。
共通点は「創造+行動」モデル
従来の研究では、成功した起業家の年齢や性別、能力といったことを調べていました。起業家のプロファイリングですね。ただ起業家といっても十人十色。典型的な起業家をいくら追求しても、セオリーになりません。現在では「どういう人が起業に成功するのか」についての研究はあまり行われなくなっています。
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