有料会員限定

企業価値を高める経営体制とは何か [講義6 ガバナンス]

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

教える人 シンガポール マネジメント大学教授 好川 透

よしかわ・とおる●シンガポールマネジメント大学教授。カナダ・ヨーク大学でPh.D.を取得。共著書に『The Convergence of Corporate Governance』など。

特集「経営学の教科書」の他の記事を読む

ガバナンスの研究は、1970年代にファイナンス分野から生まれました。「エージェンシー理論」の観点から、株主と経営者間の利害対立をどう減らすかという問題を重点的に考えられてきました。

主な経済主体(プリンシパル)とその経済主体のために活動する代理人(エージェント)の間の契約関係をエージェンシー関係と呼びます。経営者は必ずしも株主の言うとおりには経営をせず、時には経営者自身の利益を優先してしまい、株主との対立を招くことがあります。

そのため、経営者を監視(モニタリング)しながらも、取締役会などが経営上よりよい決定ができる助言をどう与えていくかという問題が出てきました。

ただ、社外取締役・監査役を入れるべきかどうかという研究は、すでに90年代に終わり、「入れる」ことは常識になりました。それからは、取締役会や欧米企業での経営委員会メンバーの個人的・組織的な資質をどう見るか、どのような人材を入れると取締役会がうまく機能するかという研究が主流になっています。

関連記事
トピックボードAD