教える人 シンガポール マネジメント大学教授 好川 透
ガバナンスの研究は、1970年代にファイナンス分野から生まれました。「エージェンシー理論」の観点から、株主と経営者間の利害対立をどう減らすかという問題を重点的に考えられてきました。
主な経済主体(プリンシパル)とその経済主体のために活動する代理人(エージェント)の間の契約関係をエージェンシー関係と呼びます。経営者は必ずしも株主の言うとおりには経営をせず、時には経営者自身の利益を優先してしまい、株主との対立を招くことがあります。
そのため、経営者を監視(モニタリング)しながらも、取締役会などが経営上よりよい決定ができる助言をどう与えていくかという問題が出てきました。
ただ、社外取締役・監査役を入れるべきかどうかという研究は、すでに90年代に終わり、「入れる」ことは常識になりました。それからは、取締役会や欧米企業での経営委員会メンバーの個人的・組織的な資質をどう見るか、どのような人材を入れると取締役会がうまく機能するかという研究が主流になっています。
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