店頭では熾烈なシェア争いを繰り広げているビール会社が、物流分野では手を取り合った。アサヒビール、キリンビール、サッポロビールの3社は、6月から都内で共同配送を開始する。すでにアサヒとキリンは2011年から都内全域で共同配送を行ってきたが、そこに新たにサッポロが加わる。
ビール市場は縮小傾向にあり、以前よりも積載効率が下がる配送ルートが出始めた。アサヒによると、「まずはアサヒビールとアサヒ飲料などグループ内で物流を統合し、次のステップとしてキリンとの共同配送を開始した。今回サッポロからも参加の申し入れがあり、3社でやることになった」(物流システム部の井石明伸氏)という。3社は共同配送することによって、配送距離の短縮と積載率の向上、CO2(二酸化炭素)排出削減を目指している。
物流費の割合が高い食品業界
共同配送を進めているのはビール業界だけではない。味の素、ハウス食品など加工食品メーカー6社は2月、商品の共同配送や物流拠点の共同利用などの検討を開始した。また、食品卸も共同配送に前向きな姿勢だ。「地方では物量が少なくなるのでそれぞれの問屋が車を走らせるよりも、一緒に運んだほうが効率的なケースが出てくる。そうした工夫によって固定費が減るならいいことだ」(伊藤忠食品の星秀一社長)。
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