米国では今、“超速”宅配サービス戦争が起こっている。数年前までは、日本の宅配便のような翌日配達すらなかったが、アマゾンがそれを実現。広大な国土を抱える米国ゆえ、これが限界だと誰もが思っていた。ところが昨年ごろから、宅配はクリックの速度にも挑戦する戦場と化しているのだ。
そのメインプレーヤーは、何といってもアマゾンとグーグルである。ことシリコンバレーでは、路上を走る両社の配送車を目にするのはもう当たり前になった。
最初に即日配達を始めたのはグーグルだった。2013年春のことだ。グーグルは、以前にもショッピングサイトを始めたことがあった。しかし、品数はまばらで話題も集めず、いつの間にかなくなってしまった。ところが今回は、即日配達というアピールでオンラインショッピングに戻って来たのだ。同年6月、すぐにアマゾンが追随。しかも、生鮮食品を持ち出しての対抗戦に出た。
実はアマゾンは、すでに07年から地元のシアトル限定で生鮮食品の翌日配送をテスト運用しており、消費者の“玄関先スーパー”となることを虎視眈々と狙っていた。シアトルでのテスト運用は一時中断したこともあったが、今や即日配達を全米の都市部へ着実に広げている。
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