
国内売り上げは頭打ち。コストの見直しが大きな課題だ
国内メーカーが物流子会社を手放す動きが相次いでいる。アシックスは10月、子会社のアシックス物流を丸紅ロジスティクスへ譲渡する予定だ。これまで自社グループ内で行ってきた国内の物流業務をすべて丸紅グループにアウトソーシング(外部委託)する。
アシックス物流は1982年に設立され、アシックスグループの受注や仕分け、配送手配といった国内の物流業務を30年以上にわたって担ってきた。従業員数も570人(2015年1月末時点)に上る。10月以降は丸紅ロジスティクスが、現在の従業員と物流施設をそのまま活用する形でアシックスの国内物流業務を行っていく。
子会社を譲渡して国内の物流にメス
アシックスは欧米でのランニング用シューズ・ウエア販売が伸びており、連結業績は連続で最高益を記録するなど目下絶好調。ただし、好調な海外事業とは対照的に、国内は売上高が頭打ちで、固定費負担の重さから収益的にも厳しい状況にある(図表1)。このため国内の収益性改善は大きな経営課題となっており、その手段の一つとして今回の物流改革に踏み切った。同社は、「商社の物流ノウハウを活用しながら、スピードをもって効率を上げていきたい」と期待を寄せる。
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