東京・品川にあるJR貨物・東京貨物ターミナル。前日深夜に広島をたった貨物列車が午前10時前に到着すると、福山通運の大型トラックが続々と集まり、列車に沿って緑の直線を引いたようにきれいに横付けした。構内作業員は大型リフトを操作し、列車のコンテナを順番にトラックの荷台へ移していく。30分ほどで移し替え作業は完了し、40台のトラックは関東一円の各営業所へと散っていった。
JR貨物は今年3月から、東京─広島・福山間で福山通運専用列車の運転を開始した。40個のコンテナを載せた20両編成の列車が毎日1往復する。すでに東京─大阪間では2013年から福山通運の専用列車(20両編成を毎日1往復)を走らせており、今回の専用列車はそれに次ぐ第2弾。福山通運は専用のトラックに加え、貨物コンテナも自分で準備した。
「トラック輸送の危機」で取り上げたように、トラック運送業界は今、人手不足に頭を悩ませている。そんな中、貨物の長距離輸送手段としてあらためて見直されているのが鉄道だ。福山通運は安定的な輸送力確保のため、鉄道貨物輸送の利用拡大に踏み切った。既存の東京─大阪間も含めると、専用列車で運ぶ貨物の量は1日当たり大型トラック160台分で、福山通運の取扱輸送量の5%弱に相当する。
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