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住民の「おせっかい」が子どもを貧困から守る 東京・豊島区の「大人たち」の挑戦

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東京・豊島区の主婦、栗林知絵子さん(48)は、自称「お節介おばさん」だ。公園や街角で子どもたちに気軽に声をかけ、異変が起きていないかに気を配る。その栗林さんはここ数年、地域の子どもたちに広がる貧困の存在を強く意識するようになった。

10年前から、屋外で子どもが自由に遊ぶ「池袋本町プレーパーク」の運営に携わってきた。「当初は貧困などということには関心もなく、気づきもしなかった」と栗林さんは振り返るが、4~5年ほど前から異変を感じ始めたという。

ある日、プレーパークに来た小学校低学年の女の子が雨天で中止だと知って、泣きそうになっているのを見掛けた。聞いてみると、豊島区に引っ越してくるまでは車中生活をしていたという。会った時は自宅が一人暮らし用のアパートなので、子どもの居場所がないことがわかった。

夜遅くまで働くシングルマザーの母親からもらう1日500円の小遣いを元にコンビニエンスストアで弁当やジュースを買い、自宅で一人で食べている中学3年生の男の子がいることも知った。

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