
自公連立政権は政権奪取後すぐ、生活保護の日常生活費である生活扶助費の削減を始めた。
2013年度から15年度にかけての削減率は、合計すると平均6.5%。このときに国が主な理由として掲げたのがデフレだった。
08年から11年にかけて物価は約5%も下落しており、厚生労働省は従来の給付額のままでは多すぎると主張したのだ。しかし、この物価下落率は極めて恣意的な計算に基づくものだ。
物価下落度の指標として厚労省は「生活扶助相当CPI」という独自の消費者物価指数(CPI)を持ち出したのだ。これは生活扶助費で賄う品目群で算出したCPIという意味で、08年には104.5、11年には99.5となり、5%の物価下落があったという(基準年は10年)。CPIの担当である総務省統計局や物価指数の専門家にも相談せず、厚労省は密室でこの指標を作った。
しかし政府統計で使われる本物のCPI(総合指数)を見ると、08年の102.1から11年の99.7(基準年は10年)まで2.35%の下落にすぎない。野党議員も国会でこの問題を追及。全国約20の地方裁判所では生活扶助費削減処分の取り消し訴訟が提起され、「物価偽装疑惑」として争点になっている。
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