子ども、高齢者、女性──。日本に広がる貧困問題。しかし、ここに一つ抜け落ちてきた重要なポイントがある。「どこで」貧困が起きているかという地域の特定だ。
残念ながら、貧困化に関する地域別の推計は過去に少数の学者が行うにとどまり、最新状況を把握できる公式データは存在していない。
そこで本誌は独自に、都道府県別の貧困率(低所得に苦しむ世帯の割合)を推計してみた。
貧困率を出すには、まずどの所得水準以下を貧困世帯と見なすかの基準値を設定する必要がある。OECD(経済協力開発機構)は国民の所得中央値の半分を基準値としているが、これだと全体の所得水準が上下に動くと貧困率も連動してぶれる欠点がある。たとえば平均所得が大きく減った地域では、かえって貧困率が改善されるという矛盾が生じることになる。
そこで今回は厚生労働省「被保護者調査」で公表される都道府県別の最低生活費を基準値と設定した。その値を、総務省「就業構造基本調査」が都道府県別に公表している所得階層別の世帯数に当てはめ、貧困世帯数とした。
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