不公平な課税による近隣窮乏化策を阻止せよ

統一的な国際基準が求められる理由

今年10月にベルリンで「税の透明性と情報交換に関するグローバルフォーラム」の第7回会合が開催され、122の国や地域およびEUが参加した。会合では、金融口座に関する「自動的な情報交換」について協定が調印された。

この協定は当初ドイツ、フランス、イタリア、英国、スペインが主導した。約50の国や地域が早期に参加を決定し、その他の国々も参加意向を示している。

協定の基となった、OECD(経済協力開発機構)策定の「共通報告基準」(CRS)によると、税務当局が銀行およびその他の金融機関から情報を受け取り、他国の税務当局に自動的に伝達する。将来は、銀行口座に関連する実質的にすべての情報(口座保有者名、口座残高、利子や配当の受取額、キャピタルゲインなど)が、口座保有者が所属する国の税務当局に報告されるようになる。

銀行が受益権所有者を特定でき、関連する税務当局に通知できるようになっている。CRSはこのようにして、各国の税務当局間のグローバルな協力の輪を広げている。

課税公平化で高まる機運

課税の公平化が進むことにより、政府としては、国民の間に税制を承認する機運が高まることを期待できる。

国際的な租税回避への対抗策がこれほど大きく進展するとは、数年前は考えられなかった。重要なのは、企業税制の分野でOECDとG20(主要20カ国・地域)による取り組みを継続することだ。利益移転および人為的な利益縮小を用いた、創造的な(=巧妙に抜け穴を利用した)税金対策を、利益の上がるビジネスモデルにさせてはいけない。

「近隣窮乏化」租税政策(ある国がほかの国を犠牲にする租税政策)は、通貨切り下げ競争による近隣窮乏化策と、まったく同じだ。究極的には世界中で繁栄を阻害する。

公平な国際的課税競争を確立するために、統一的な国際基準について合意をまとめねばならない。

週刊東洋経済2014年12月13日号

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