イムラ封筒が好調、デジタル時代にナゼ? 売り上げ増加で3期連続の増益が確実

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まず13年には、14年初からのNISA(少額投資非課税制度)開始を控え、証券会社や銀行による専用口座争奪戦が繰り広げられ、封筒を使ったDMなどが急増。これが13年度の業績の追い風となった。14年に入ると”NISA特需”は一巡したが、今度は2、3月頃にかけて消費増税前の駆け込み需要が発生した。特に目立ったのが官公庁からの封筒注文だった。

さらに消費増税に合わせて全国で支給が行われた臨時福祉給付金や子育て世帯臨時特例給付金に関する通知の封筒や封入・発送代行の注文も、7月にかけて関東地方を中心に地方自治体から次々と舞い込んだ。

解散報道で株価急騰

特需はなお途絶えなかった。安倍晋三首相が11月21日に正式表明した衆議院の解散だ。これに伴う衆院選挙に向け、選挙通知用封筒やその発送代行の特需が発生した。11月に入って永田町に解散風が吹き始めると、100円台で推移していたイムラ封筒の株価は10日足らずで500円台まで急騰。これも株式相場ではお馴染みの”風物詩”である。

もっとも株価の高騰はつかの間で、現在は200円台前半で推移している。今回は解散表明から投票日までの期間が短いことから、「金額は少なめ」(イムラ封筒)とはいうものの、数千万円の売り上げがあったようだ。同社はこれをわずか数日間で製造・販売した。

イムラ封筒によると、前期と今期に発生した特需のうち、金額が比較的大きかったのは、NISA関連と臨時給付金関連で、「それぞれ1億円行くか行かないかのレベル」と言う。売り上げが200億円超の企業にとっては限定的だが、それぞれが小規模でも、追い風をうまく取り込んでコツコツと積み上げれば、業績を押し上げる要因になるということだろう。

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