サブプライムローン問題は米国だけではない。住宅やオフィスの価格が高騰した英国やスペインなどでも、今後、問題が深刻化する可能性は大きい。
「英国の住宅市場は減速過程に入った」と分析するのは、英国の住宅ローン会社ハリファクスのチーフ・エコノミスト、マーティン・エリス氏だ。同社が算出する英国住宅価格指数は、8月をピークに9月、10月と下落した。2カ月連続の下落は2005年4~5月以来2年5カ月ぶりのこと。前年同月比では上回っているものの、上昇率は確実に鈍化している。
また英国中央銀行(BOE)が発表した住宅ローンの月間承認件数も、06年秋の12万8000件をピークに減少に転じている。07年9月は前年同月比19.7%減と大幅な減少となった。住宅ローンの返済ができず差し押さえとなった件数も急増している。07年前半は前年同期比29.6%増の1万4000件に達した。
不動産関連サービス大手ジョーンズ・ラング・ラサールのヨーロッパ・キャピタル・マーケット・グループCEOのトニー・ホレル氏は、「英国の住宅市場は、現在、信用収縮の影響が大きく、取引高が減少している。今後は、住宅価格が総体的下落に転じると見る。ただ、英国は住宅の供給が少ないので、大幅な価格下落は考えにくい」と語る。
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