[INTERVIEW]エール大学経済学部教授 ロバート・J・シラー
サブプライムローン問題を機に一気に収縮へと向かった金融市場。世界的なカネ余りで各国に生まれていた不動産バブルは、今後、はじけるのか。米国、欧州、日本、中国の不動産市況の行く末を分析・予測する。
米国の住宅価格の下落に歯止めがかからない。全米の住宅価格の騰落率を示すS&P/ケース・シラー住宅価格指数は、2007年4~6月期に前年同期比3・2%低下した。1987年の算出開始以来、最大の下げである。主要10都市を対象とする同月次指数の前年同月比は、今年1月に11年ぶりにマイナスに転落した。以後、7カ月下落が続いている。
この指数の開発者であると同時に、2000年春、著書『根拠なき熱狂』を出版し、ITバブルの崩壊をいち早く予言したバブル研究の第一人者、ロバート・J・シラー教授に、サブプライムローン問題の今後の影響について聞いた。
「米国の住宅価格の暴落は、大恐慌以来、最悪の事態に」
──住宅価格はどこまで下がると考えられますか。
シカゴ・マーカンタイル取引所で取引されている住宅価格指数の先物は08年8月までに、さらに7~13%下落すると暗示している。住宅の資産価値は約23兆ドルある。先物取引の予想どおりになると、住宅価値の実質的損失はさらに3兆ドル膨れ上がることになる。私は、今回の住宅価格の暴落は、大恐慌以来、最悪のものになりかねないと憂慮している。
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