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危機を深化させた金融革新、時価の見えない「証券化」の怖さ 徹底追究!サブプライム危機1【問題の核心は何か?】

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危機は第3ステージ突入、新手の住宅ローンが発端

当初融資期間の金利優遇や証券化といった金融革新で、信用力が低い人向けのローンを拡大させたことが、問題の発端。証券化商品は転売がしづらく、時価が見えない怖さもあり、危機は一段と深刻化している。

終わりが見えそうで見えないサブプライムローン問題。危機は、現在、第3ステージに突入している。

第1ステージの始まりは今年2月末。1万8300円あった日経平均株価が1週間で9.7%暴落するなど、世界同時株安が起きたときだ。中国・上海株の急落が発端だが、1週間下げ続けたのは米国サブプライムローン問題が背景にあるからと、その存在が知られるようになった。その後、世界景気の拡大で各国株価は最高値圏へと再ブーストした。

だが、7月下旬から危機第2ステージへと突入。サブプライムローンを担保にした証券化商品にかかわる金融市場が変調したためだ。8月16日、米NYダウは前日比344ドル安(ザラ場ベース)まで突っ込んだ。

翌17日には米FRB(連邦準備制度理事会)が公定歩合を緊急利下げ。各国中央銀行も大量の流動性供給で応じた。9月18日には政策金利であるFFレートも0.5%引き下げ、NY株価は10月中旬、再び史上最高値を更新した。10月末にも0.25%の追加利下げをし、サブプライムローン問題は終焉に向かうとの楽観的な声も聞かれた。

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