1年の前半と後半で、こんなにも株式環境が異なる年はないのでないだろうか。世界はまだサブプライム危機の大きさを推し量れずにいるようだ。今後は「暗黒時代」の負の連鎖に陥る危険も待ち受けている──。
ドル危機のリスク加わり株価に激震走る確率も
サブプライムショック以降、10月下旬に至るまで、米国株価は一時、急回復した時期がある。市場関係者の中から、「まるでニフティ・フィフティ(素敵な50銘柄)現象の再来」との指摘もささやかれた。一握りの優良銘柄が集中的に買われた、1970年代前半の相場を想起させたのだ。
今回の人気銘柄は、30年前よりもピンポイントで買われていた。
新型携帯電話「iPhone(アイフォン)」が支持を集めるアップル、洗剤・家庭用品メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル、飲料のコカ・コーラなど……。内需以上に海外で稼ぐ銘柄が軒並み上昇した。これに対してホームセンターのホームデポ、ウォルマートやギャップなどの消費関連銘柄や、サブプライム問題で業績悪化懸念の強まった金融株などに売り物が膨らんだ。
「外需はいいが、内需は駄目」という方向感の中で、「同じ業界でも選別が進む企業収益の著しい二極化進行」(大和総研の成瀬順也シニアストラテジスト)が特徴だ。米国景気が減速しても、海外、特に中国やインドなど新興国の経済が高成長を維持する「デカップリング(非連動)」が、相場を下支えしてきた感が強い。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら